告訴ができる人(告訴権者)
告訴権者(告訴ができる人)
告訴は誰でもできるわけではありません。事件によって告訴権を持っている人だけができます。
なお、刑事訴訟法には告訴権者の年齢制限規定がありませんので、未成年者による告訴も可能とされますが、告訴は相手の処罰を求めるものですから、告訴の意味を理解できるだけの判断力があるかないかが重要になります。
判例では、「たとえ小学生であっても、判断力を有する者による告訴は有効」とされています。
また、法人などが告訴をする場合は、その法人等を代表する者が告訴を行うことになります。例えば、株式会社の場合ですと、代表取締役となります。
以下、告訴権者の具体例を記載します。
被害者が生存している場合 (刑訴法230条、231条1項)
- 被害者本人
被害者が複数人いる場合は、被害者各人が独立して告訴することができます。
なお、犯罪によって間接的に被害を受けたにすぎない者は該当しません。
- 被害者の法定代理人(親権者や後見人)
法定代理人は、被害者の意思とは関係なく、独立して告訴することができます。
被害者が死亡している場合 (刑訴法231条2項)
- 被害者の配偶者、直系親族(父母、子など)、兄弟姉妹
ただし、被害者が生前に「告訴を希望しない旨」を明らかにしていたときは告訴できません。
被害者の法定代理人が被疑者である場合など(刑訴法232条)
- 被害者の親族
被害者の法定代理人が被疑者である場合、被疑者の配偶者・四親等内の血族・三親等内の姻族である場合の告訴権者です。独立して告訴をすることができます。
名誉毀損罪の場合(刑訴法233条)
- 被害者の配偶者・親族・子孫
被害者が死亡している場合で、被害者が生前に「告訴を希望しない旨」を明らかにしていたときは告訴できません。
親告罪について告訴をできる者がいない場合(刑訴法234条)
- 利害関係人の申立により、検察官が、告訴をすることができる者を指定することができます。