公正証書、契約書(金銭消費貸借契約・準消費貸借契約・債務承認弁済契約・借用書等)の起案・作成を代行いたします。北海道札幌市の行政書士事務所です。

親しき仲こそ契約書を|契約書・覚書・念書の違い|

金銭消費貸借契約書(借用書)や債務承認弁済契約書など、金銭貸借に関する書面については、次の弊所サイトでより詳しくご案内しております。
 こちらです 金銭貸借の契約書・公正証書作成サービス


約束事は書面に残すのが一番です。

約束事は本来文書で残しておくべきですが、立場上相手方に文書交付の要求ができなかったり、馴れ合いなどで口約束で済ませてしまうことはよくあることです。

ご存じの方も多いでしょうが、民法上の契約である売買、贈与、請負、委任、賃貸借などはいずれも口頭での契約が有効です。
文書にして残すのは後々のトラブル防止のためです。

トラブルが発生してから悔しい思いをすることのないように、約束事はできるだけ文書にして残すことをお勧めします。


契約書を交わすタイミング

文書作成は当事者同士の話し合いが合意に至った直後が一番良い時です。
金銭の貸借であれば、現実に貸し渡すときです。

ですから、あらかじめ予定された話し合いや契約に臨むときは、その目的に合致した契約書等を事前に用意して応じると、後々の手間を省くことにもつながります。

事前に用意できないのであれば、覚書や念書のような形式でもよいですから、合意内容等をその場で文書にして残すべきでしょう。


文書の表題(タイトル)について

約束事を文書にする場合、タイトルで悩む方も多くいらっしゃるようです。
金銭貸借契約であれば、「借用書」でよいのか、それとも「金銭消費貸借契約書」とすべきなのか。業務上の契約であれば、「請負契約書」とすべきか、それとも「委任契約書」とすべきか、といった問題です。(最近は、委任契約と請負契約が混合したような「業務委託契約書」というタイトルも多くなりました。)

また、文書の性質を表す表題には契約書のほか、覚書や念書などもあり、その選択にお困りになったという話も伺います。

そこで、文書のタイトルについて、契約書や覚書、念書などの意味も含め、以下で解説します。


表題(タイトル)の考え方

「表題(タイトル)」は、その文書がどんな内容なのかを一目でわかるようにするために便宜上記載されるもので、原則として契約書の効力に影響を及ぼすものではありません。単に「契約書」とだけ記載されていても構わないのです。

しかし、タイトルを明確にしておくことで文書の管理はしやすくなります。
単に「契約書」や「覚書」となっている文書は、全文を読まなければその内容を判別しづらいからです。

また、約定事項に曖昧な部分がある契約書について、その作成当事者の一方が死亡した場合などに、他方当事者が自分に都合の良いように解釈・主張してきたとき、タイトルがハッキリしていれば、文書内容の判断材料として役立つものとも考えられます。

契約書、覚書、念書の違い

契約書や覚書、念書などの意味について以下解説します。

契約書とは

契約とは、相対立する2つ(2人)以上の意思表示の合致、つまり、当事者の一方の申し込みと他方の承諾によって成立する「法律行為(※)」のことをいいます。

ですので、契約書とは、その2つ(2人)以上の意思表示が合意に至っている事実を証明する目的で作成される文書、ということになります。
また、契約書は、当事者それぞれが同じものを保有します。

なお、契約には「要物契約」という、意思表示のほかに目的物の提供(受領)を契約成立の要件としているものもあり、消費貸借契約(金銭貸借等)はその一つとなります。

(※)「法律行為」とは、人が一定の法律効果(法律の要件を満たすことにより生じる権利や義務)を発生させようとする意思に基づいて為す行為のことをいいます。

覚書とは

覚書とは、契約書を作成する前の段階で、当事者双方の合意事項を文書にしたものや、既にある契約書を補足・変更した文書のことを言います。
但し、文書の実態が、契約の基本を定めた内容になっているものは、タイトルが「覚書」となっていても契約書とみなされます。

また、契約関係にない者同士が、あることについて取り決めを行った場合に作成する文書のタイトルを「覚書」とすることもあります。

一般的に「契約書」という響きは、どちらかというと硬いイメージがあります。
署名を求められる側が身構える文書、とも言えるでしょう。
そこで、できるだけ波風を立てないように相手方と書面で約束を交わしやすくする方法として、「覚書」等のやわらかいタイトルを使用した契約書が作られることもあります。

なお、覚書の実態が契約書であれば、記載内容に従って印紙の貼付も必要になります。

念書とは

念書とは、当事者の一方のみが他方当事者に差し入れるものです。
そのため、書面には念書を差し出した当事者の署名(+押印)しかありません。

ですので、念書の内容は、念書を書く者が一方的に義務を負担したり、一定の事実を認めたりするような内容になります。

また、「合意書」とタイトルが付いていても、当事者の一方のみが他方に差し入れる形式をとっているのであれば、これも念書と言えるでしょう。

「合意書」とタイトルをつける場合、一般的には、当事者全員が署名(記名)押印のうえ、それぞれが所持する形式をとります。
例えば、契約書等を作成する前の段階で、約定すべき事項をあらかじめまとめておいた書面などのタイトルを「合意書」とします。

念書も、契約書や覚書などと同様にトラブルが生じたときに証拠として利用されるものですが、内容が一方的になる点が他の書面の形式と異なります。

契約書の内容

約束事を文書にする場合、何の契約なのか(何を約束したのか)をハッキリ記載することはとても重要です。

例えば、業務に関する契約には、委任契約や請負契約があります。それぞれ民法に規定のある契約ですが、契約当事者それぞれの権利や義務、また責任に違いがあります。目的にあった契約書にしなければ、勘違いから思いがけない不利益をこうむることもあります。

また、市販の定型契約書を利用されるのであれば、合意内容に合致した契約書であるかをしっかり確認する必要があります。

なお、「契約自由の原則」という言葉がありますが、何でもかんでも有効になるわけではありません。
公序良俗に反する内容は無効になります。(民法90条)

金銭の支払いを求める契約書

貸金、売掛金、また賠償金など、金銭の支払いに関する契約書には次のようなものがあります。
なお、金銭の支払いを目的とする契約書(特に、分割支払となる契約の場合)は、公正証書にしておくとことをお勧めします。

※金銭の支払いを目的とする契約書や公正証書については、弊所運営の次のサイトをご覧ください。
 こちらです 「金銭貸借の約束|公正証書嘱託・契約書作成サポート」

金銭消費貸借契約

単純なお金の貸し借りに関する契約です。

金銭消費貸借契約書も借用書も、契約書としての性質は同じです。
しかし、借用書は1部だけ作成して、借主が貸主に差し入れる念書形式であるのに対し、金銭消費貸借契約書は2部作成して貸主と借主の双方が所持します。

なお、消滅時効は、商行為での契約であれば5年であり、個人間契約の場合は10年となります。


【消費貸借契約とは】

借主が、目的物(例 お金)と種類・品質・数量の同じ物をもって返還することを約束して、貸主から目的物を受け取ることによって効力を生じる契約のことをいいます。(民法587条)

消費貸借契約は、現実に物(お金等)を引き渡すことが契約の要件であり、これを「要物契約」といいます。

これに対し、売買契約などは「売った、買った」の言葉で成立する「諾成契約」といいます。

金銭準消費貸借契約

金銭消費貸借契約は、単純なお金の貸し借りなのですが、金銭消費貸借契約は、商取引など、契約上の債権を通常の金銭貸借に置き換える契約です。

例えば、売買代金の支払いができない債務者が、債権者との間で、元の売買契約を金銭貸借契約(借金)に置き換えることを契約するのです。
この置き換えた契約を消費貸借と呼ぶのです。

また、複数の金銭債務を一つにまとまるためにも準消費貸借契約を利用することができます。

【民法588条 準消費貸借】

消費貸借によらないで金銭その他の物を給付する義務を負うものがある場合において、当事者がその物を消費貸借の目的とすることを約したときは、消費貸借は、これによって成立したものとみなす。

準消費貸借契約に置き換えるメリットの一つとして、消滅時効期間の延長があります。

商取引上の売掛金の消滅時効は2年間と短く、うっかりしていると時効で取りはぐれる事態になることもあり得ますが、商取引の金銭準貸借消費貸借契約の場合は時効期間が5年になりますし、商取引以外であれば10年になります。

また、売掛金の支払期限を延ばす代わりに債務者に連帯保証をつけてもらい、その上で金銭準消費貸借契約書を作成して返済を確かなものにしていく方法もあります。
※金銭消費貸借契約は保証人を立てるのが通常です。

債務承認弁済契約

債務承認弁済契約とは、契約当事者の一方(債務者)や不法行為をした者(加害者)などが、金銭債務があることを認め、その返済条件等を定める契約です。

過去の金銭貸借等の契約が履行されずに滞っている場合に、新たな利息や返済条件を設定するためにも利用されます。

債務承認弁済契約は既存の債務を承認するものですから、当該債権はこれにより時効が中断されます。

保証契約

連帯保証などの保証契約は、書面(または電磁的記録)によらなければ無効となります。(民法466条2項、3項)

単なる口約束では効力がありません。


印紙について

契約書には、印紙税法の区分により印紙を貼らなければなりません。
しかし、印紙が貼られていないからといって、契約書自体が無効になるわけではありません。

あくまでも税法上の問題で、印紙を貼付しなかったり額が不足している場合は、印紙税額の3倍に相当する額の過怠税がかかります。(※文書作成者が所轄税務署長に対し、収入印紙を貼っていなかったり額が不足していることを自主的に申し出たときは、1.1倍に軽減されます。)

なお、覚書や念書もその内容によっては、契約の成立や変更などを証明するために作成される文書として印紙税法上の契約書に含まれますから、収入印紙を貼らなければならない場合があります。

印紙税の詳細については、以下の国税庁のウエブサイトをご覧ください。

こちらです 国税庁ウエブサイト(印紙税に関するページ)

契約書の例

請負に関するもの

 ・工事請負契約書 ・商品運送契約書 ・製造委託契約書

商取引に関するもの

 ・取引基本契約書 ・業務委託契約書

不動産・動産の賃貸借に関するもの

 ・定期建物賃貸借契約書 ・土地一時使用賃貸借契約書 ・動産賃貸借契約書 

使用貸借に関するもの

 ・動産使用貸借契約書 ・土地使用貸借契約書  ・建物使用貸借契約書

委任・委託・寄託に関するもの

 ・業務委託契約書 ・賃貸不動産管理委託契約書   ・清掃業務委託契約書 

その他

  ・離婚協議書 ・遺産分割協議書 ・債権譲渡契約書 


契約書類作成料金

業務料金備考
・各種契約書作成10,000円~事案に応じて料金ご提示
・公正証書起案30,000円~事案に応じて料金ご提示
・公証役場出頭(1名)15,000円証人・代理出頭

※表示料金は税別です。



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